撮影:多比良敏雄
これは、丹下健三が「都市のコア、建築のコア」という理念のもとに設計した「今治市庁舎広場(周囲の丹下建築を含む)」を対象として、理念を継承し、貴重な建築遺産を活かし、ここに精神的にも物質的にも真の「まちのコア」を実現するために、建築・都市・ランドスケープの観点から現状の壁を打破する創造的で大胆な提案を行う、大学・まち・専門家の協働によるワークショップ(以下、WS)である。
提案と同時に、半年間の WS によって、個々の領域がもつ情報・技術・人的パワーの交流と協働を促し、モチベーションを高め、困難な社会状況にも対応する思考と仕組みを開拓して、個々の領域の活性化に貢献できることを期待したい。
建築・都市・ランドスケープのどの観点から切り込んでも良いが、現状を打破する創造的で大胆な提案を期待する。
大学の先生と学生には、この WS に参加して、現地の生活者の声、さまざまな専門家の知 見を聴き、広い意味での「建築設計」に取り組むモチベーションを高め、デジタル・ツールを積極的に用いて歴史と現状の把握ならびに課題群の明確化に努めて、提案に臨んでもらいたい。実行委員会としては、大学の要請に応える基礎的な、そして専門的な情報と、適切な助言を与えてくれるアドバイザーを揃える努力をする。関連して、この WS を一過的なイベントで終わらせず、大学とまち(特に行政)と専門家(地元の建築家・建築士など)の3者間の交流と協働を継続するために、関係各位のご協力を得て、外部からの要請に応える、広義の「建築資料」の整理と公開、地域の動きと建築に詳しい専門家たちの組織づくりを進めたい。
今治市庁舎広場。三方を囲む建築も提案対象に含む。市庁舎、公会堂(以上、竣工 1958年)と市⺠会館(1965 年)は、すべて丹下健三の設計による。なお、提案にあたって、当該エリアの周辺街区を含めても、当該エリアの部分をとり上げても良いことにする。今回の WS の対象に選んだ理由は、要約すれば、ここには「1. 企画主旨」に挙げた WS の開催目的を達成する要件が揃っていることだと言えるであろう。多少重複するが、恐れずにその要件を説明すれば、以下の3項目が挙げられよう。
※は代表教員
工学院大学 | |||
---|---|---|---|
大学教員 | 木下 庸子※ | 工学院大学建築学部建築デザイン学科 | 教授 |
設計組織ADH | 共同主宰 | ||
発表学生 | 安福 健史 | 工学院大学建築学部建築学デザイン科木下庸子研究室 | M2 |
小瀬川 みゆう | 工学院大学建築学部建築学デザイン科木下庸子研究室 | M1 | |
田端 一貴 | 工学院大学建築学部建築学デザイン科木下庸子研究室 | M1 | |
潘 鵬宏 | 工学院大学建築学部建築学デザイン科木下庸子研究室 | M1 | |
若杉 玲来 | 工学院大学建築学部建築学デザイン科木下庸子研究室 | M1 | |
千葉工業大学 | |||
大学教員 | 今村創平※ | 千葉工業大学創造工学部建築学科 | 教授 |
多田脩二 | 千葉工業大学創造工学部建築学科 | 准教授 | |
発表学生 | 牛山滉太 | 千葉工業大学創造工学部建築学科今村創平研究室 | M1 |
菅原陸 | 千葉工業大学創造工学部建築学科今村創平研究室 | M1 | |
竹村寿樹 | 千葉工業大学創造工学部建築学科今村創平研究室 | M1 | |
水野萌季 | 千葉工業大学創造工学部建築学科今村創平研究室 | M1 | |
浜島涼平 | 千葉工業大学創造工学部建築学科今村創平研究室 | M1 | |
安達鉄也 | 千葉工業大学創造工学部建築学科今村創平研究室 | B4 | |
宇都宮大学 | |||
大学教員 | 遠藤康一※ | 宇都宮大学地域デザイン科学部建築都市デザイン学科 | 講師 |
塚越智之 | 宇都宮大学 | 非常勤講師 | |
ツ+ミ / 塚越宮下設計 | 共同代表 | ||
大嶽陽徳 | 宇都宮大学地域デザイン科学部建築都市デザイン学科 | 助教 | |
発表学生 | 岩田真菜 | 宇都宮大学地域デザイン科学部建築都市デザイン学科 | B3 |
中澤佑希 | 宇都宮大学地域デザイン科学部建築都市デザイン学科 | B3 | |
山口颯太 | 宇都宮大学地域デザイン科学部建築都市デザイン学科 | B3 | |
東京理科大学(理工学部) | |||
大学教員 | 岩岡竜夫※ | 東京理科大学理工学部建築学科 | 教授 |
堀越一希 | 東京理科大学理工学部建築学科 | 助教 | |
参加教員 | 横尾真 | シンガポール国立大学 | 客員上級研究員 |
OUVI一級建築士事務所 | |||
発表学生 | 鎌賀修一 | 東京理科大学理工学部建築学科岩岡研究室 | B4 |
上島奨平 | 東京理科大学理工学部建築学科岩岡研究室 | B4 | |
小山大輝 | 東京理科大学理工学部建築学科岩岡研究室 | B4 | |
半田智大 | 東京理科大学理工学部建築学科岩岡研究室 | B4 | |
東京大学大学院 | |||
大学教員 | 安原幹※ | 東京大学 大学院 | 准教授 |
SALHAUS | 共同主宰 | ||
発表学生 | 川榮 修平 | 東京大学大学院安原幹研究室 | M2 |
浅見 紘子 | 東京大学大学院川添義行研究室 | M1 | |
飯田 大雅 | 東京大学大学院安原幹研究室 | M1 | |
湖東 陸 | 東京大学大学院出口敦研究室 | M1 | |
斎藤 遥 | 東京大学大学院林憲吾研究室 | M1 | |
国士舘大学 | |||
大学教員 | 南泰裕※ | 国士舘大学理工学部 | 教授 |
アトリエ・アンプレックス | 主宰 | ||
参加教員 | 守谷僚泰 | OBJECTAL一級建築士事務所 | |
霜田亮祐 | 千葉大学園芸学部 | 准教授 | |
西村直也 | 芝浦工業大学建築学部 | 教授 | |
伊藤潤一郎 | Arup | シニア構造エンジニア | |
発表学生 | 尾崎賢 | 国士舘大学南研究室 | M2 |
林大雅 | 国士舘大学南研究室 | M1 | |
田嶋海一 | 国士舘大学南研究室 | M1 | |
山口尚哉 | 国士舘大学南研究室 | M1 | |
花見佳奈 | 国士舘大学南研究室 | B4 | |
小川海里 | 国士舘大学南研究室 | B4 | |
及川武 | 国士舘大学南研究室 | B4 | |
明治大学 | |||
大学教員 | 小林正美 | 明治大学理工学部建築学科 | 教授 |
廣瀬大祐※ | 明治大学アジア都市建築研究所 | 特任准教授 | |
発表学生 | 秋本泰伸 | 明治大学理工学部建築学科小林正美研究室 | B4 |
北有希 | 明治大学理工学部建築学科小林正美研究室 | B4 | |
佐藤颯 | 明治大学理工学部建築学科小林正美研究室 | B4 | |
鈴木貴慈 | 明治大学理工学部建築学科小林正美研究室 | B4 | |
高津拓海 | 明治大学理工学部建築学科小林正美研究室 | B4 | |
長瀬智哉 | 明治大学理工学部建築学科小林正美研究室 | B4 | |
東京理科大学(工学部) | |||
大学教員 | 広谷純弘※ | 東京理科大学工学部建築学科 | 教授 |
大村聡一朗 | 東京理科大学工学部建築学科 | 助教 | |
参加教員 | |||
細矢仁 | 東京理科大学工学部建築学科 | 非常勤講師 | |
山本力矢 | 東京理科大学工学部建築学科 | 非常勤講師 | |
石井秀幸 | 東京理科大学工学部建築学科 | 非常勤講師 | |
発表学生 | |||
小川浩之 | 東京理科大学工学部建築学科 社会人コース | B3 | |
山本いづみ | 東京理科大学工学部建築学科 社会人コース | B3 | |
古谷貴子 | 東京理科大学工学部建築学科 社会人コース | B3 | |
※発表は基本10分前後(詳細は各大学の任意)
※最後5分は入れ替え時間
時間 | 主な流れ | 発表者学年 | 司会 |
---|---|---|---|
13:30 | Zoom Open | ||
40 | (接続準備等) | ||
50 | |||
14:00 | 参加者Zoom Enter | ||
10 | |||
20 | |||
14:30 | 宇都宮大学 | B3 | 遠藤康一 |
40 | |||
50 | |||
15:00 | 東京理科大学(理工学部) | B4 | 岩岡竜夫 |
10 | |||
20 | |||
15:30 | 明治大学 | B4 | 廣瀬大祐 |
40 | |||
50 | |||
16:00 | 千葉工業大学 | M1+B4 | 今村創平 |
10 | |||
20 | |||
16:30 | 国士舘大学 | B4+M1+M2 | 南泰裕 |
40 | |||
50 | |||
17:00 | 工学院大学 | M1+M2 | 木下 庸子 |
10 | |||
20 | |||
17:30 | 東京大学大学院 | M1+M2 | 安原幹 |
40 | |||
50 | |||
18:00 | 東京理科大学(工学部) | B2+B3 | 広谷純弘 |
10 | (社会人コース) | ||
20 | |||
18:30 | 意見交換 | ||
40 | |||
50 | |||
19:00 | 総括 | ||
10 | |||
20 | |||
19:30 | 終了 |
大学 | 発表タイトル | キーワード | |
---|---|---|---|
工学院大学 | 今治プロムナード(仮) | 人のコア、今治プロムナード、港へのビスタ(仮) | |
東京理科大学理工学部 | ダイアゴナル(仮) | 軸線、バリアフリー | |
国士舘大学 | アーバン・カーペット | ラウンジャー、マイクロプラザ、流れ、環境論的アプローチ | |
東京理科大学工学部 | 今治の新しいコア・・・建物と市民広場があいまいな連続体を構成する「街のコア」 | ||
千葉工業大学 | 今村研 | 未定 | 今治の次世代のエコロジーの提案、循環、ポジティブな縮減、移動方法の再編 |
多田研 | 未定 | 港と市庁舎をつなぐ大通りの改変、新しい構法を用いた場の提案、など | |
宇都宮大学 | 山口颯太 | 今治サイクリングゲート | しまなみ海道等のサイクリングルートの交点、立面の保存と風景 |
中澤佑希 | まちを蘇らせる今治美術館 | 瀬戸内の芸術文化との接続、今治港〜広小路〜広場へと繋がる芸術動線 | |
岩田真菜 | WEDDING CITY | 人口構成、都市構造の見立て(今治港・広小路・市庁舎)、結婚式による地域交流 | |
明治大学 | 未定 | デジタルのアナログ化、ノスタルジー、変えずに変える | |
東京大学 | 未定 | 今治を円環状に巡る公共空間、モビリティ、内外の境界の再定義、モードチェンジする |
2021年6月1日現在
氏名 | 所属・肩書き | ||
---|---|---|---|
1 | 委員長 | 川向正人 | 建築史家・建築評論家、東京理科大学名誉教授 |
2 | 委員 | 多田善昭 | 建築家、多田善昭建築設計事務所 主宰 |
3 | 委員 | 武智和臣 | 日本建築家協会四国支部 支部長、ATELIER A+A 代表 |
4 | 副委員長 | 大野順作 | 愛媛県建築士会 理事(相談役)、大野順作建築研究所 代表 |
5 | 委員 | 笹木篤 | 日本建築家協会四国支部 総務委員長、 建築都市設計インタースタディオ 代表 |
6 | 委員 | 齊藤正 | 建築家、株式会社齊藤正轂工房 代表 |
7 | 委員 | 木下庸子 | 工学院大学建築学部建築デザイン学科 教授、設計組織ADH共同主宰 |
8 | 委員 | 今村創平 | 千葉工業大学創造工学部建築学科 教授 |
9 | 委員 | 遠藤康一 | 宇都宮大学地域デザイン科学部建築都市デザイン学科 講師 |
10 | 委員 | 岩岡竜夫 | 東京理科大学理工学部建築学科 教授 |
11 | 委員 | 安原幹 | 東京大学 准教授、SALHAUS共同主宰 |
12 | 委員 | 南泰裕 | 国士舘大学理工学部 建築学系 教授、アトリエ・アンプレックス主宰 |
13 | 委員 | 小林正美 | 明治大学理工学部建築学科 教授 |
14 | 委員 | 廣瀬大祐 | 明治大学理工学部建築学科 特任准教授 |
15 | 会計 | 広谷純弘 | 東京理科大学工学部建築学科 教授 |
主催:日本建築家協会四国支部、愛媛県建築士会今治支部、IUW“TANGEから建築を学ぶ者への出題”実行委員会
後援:日本建築家協会、日本建築士連合会、日本建築美術工芸協会
アドバイザー:隈研吾、芦原太郎、安田幸一、千代章一郎
お問い合わせ:iuwtange2021@gmail.com IUW“TANGEから建築を学ぶ者への出題” 事務局 髙取万里子